へべれけ

ゲームとDTMと本と煙草と酒と泪と男と女

「地元の中華屋」という概念

気がつけば、ブログを半年以上も放置していた。

きっとあなたの地元にもあったであろう「中華屋」に思いを馳せることがある。 あのどこにでもありそうな赤い暖簾と「◯◯軒」という店名。営業してるんだかしてないんだがわからないくらいに暗い店内。1,2年前のジャンプかマガジンが揃えられていて、音量のでかいテレビが騒がしい。大抵、家族経営かバイトを雇っても地元の奴だったりした。自分は中学の頃には地元ではなく都内の私立に通っていたので、地元の小学生の同級生と顔を合わせるのがなんとなく気まずいようにも思えた。というか俺のことで有りもしない噂が流れていたらしい。◯すぞ。 土曜日や平日の休みの昼は大抵、その中華屋だった。 地元の仕事しているのかしていないのかよくわからんおっさんが、知人でも無いのに絡んでたりして、人見知りの俺はと言えば心の中でお前もチャーシューにしてもらえと思っていた。 俺の地元にもそういう中華屋があった。過去形だ。今はもう無い。店の大将が体調を崩し休業したと思ったら、そのまま癌で亡くなって閉店した。 俺が注文するものはいつもチャーシュー麺だった。小学生には味なんてわかるはずもなく、ただ単にラーメンと肉が食べられればいいというだけでチャーシュー麺だった。野球を始めて中学生にもなれば燃費は悪くなくなるもので、そこにチャーハンが加わることになった。 やがて「いつもの」と大将に言うだけでチャーシュー麺とチャーハンが出てくるようになってしばらくした頃、大将が「エビチリもどうだい?」と勧めてくれたことがあった。その大将のおすすめ通りに、その時はチャーハンとエビチリにした。 「チャーハンにエビチリをかけるとうまいぞ」と教えてくれた大将の笑顔は今でも忘れられない。そして言われた通りにチャーハンにエビチリをかけて食べた時の旨さも忘れてない。

大学生になって東京に出てきて、社会人になって一度地元の柏に戻って、また今年になって東京に出てきた。それまでにいろんな中華屋に連れて行ってもらったり、開拓してみたりした。有名人のサインが所狭しと並べられている有名ラーメン屋や中華レストランにも言ってみた。 だけど、どこにも「地元の中華屋」は無かった。

「チャーハンにエビチリをかけるとうまいぞ」と言ってくれた大将ももういない。あの地元の中華屋はもう無い。数年前に癌で亡くなってから店も閉めたようだ。おかげで実家の近辺で外食するにはわざわざ車を出さなきゃいけないくらい不便になってしまった。 今でもチャーハンにエビチリをかけて食べることがある。あの大将のエビチリよりも旨いチャーハンやエビチリも食べたことが有る。 だけど、地元の中華屋のことを思い返され味が上滑りしていく。